So-net無料ブログ作成

短歌における語彙、あるいは、「ゴシックスピリット」(高原英理・著)を読む。 [本]

風邪の時つらいのは、本が読めないことでございますね。

気にせず読書に励む猛者もおられるということでございますが、ワタクシはムリでございます。日ごろからハヤリモノに手を出さないせいか、一旦はまると風邪もすごい勢いで悪化し、高熱が出たりいたしますの。

まあ、いつも活字で水膨れしている脳を解放するのも大切ですわね。

病癒えぬうちについ手を出したのが「ゴシックスピリット」でございます。

なかなか興味深く楽しめまして、お陰で風邪も快方に向かっております(葛根湯か?)。

なかでも、浅〇彰氏が、澁澤龍彦さんに対して、暴虐の限りを尽くし、失礼千倍で、ファンの胸をかきむしり、苛み、逆なでする発言をしていた指摘では、「そうだったのか...」とひたすら感じ入る次第でございました。

ええ、そう、こちらの御本の作者は、バカ騒ぎめいた明るさよりもダークさを、健康美よりは人工美めいた、過剰な美しさを好まれ、その指標として「ゴシック」をあげられているのでございますね。

ご自分の嗜好を手広く語られ、該博な知識を開陳されていらっしゃいます。

一見には、ひたすらな暗黒への嗜好に見えますが「だが逆の無垢なものにも惹かれる」という二重性はなかなかの奥行きとお見受けしました。

それにしても、和歌にもゴスありき、とご紹介されていた短歌に

ジル・ド・レエ ジル・ド・レエ

と五・七・五・五・五の終わりの五・五に使われていたのには、驚きを禁じ得ません。エリザベート・バートリーだと、字余りですなあ。

ではまた!

ゴシックスピリット

ゴシックスピリット

  • 作者: 高原 英理
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2007/09/07
  • メディア: 単行本

↓風邪の原因と懸念されるもの


nice!(3)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

「星間商事株式会社社史編纂室」(三浦しをん・著)を読む。 [本]

ちーん。

鼻をかむのがとまんないー。バクチクのYOU YUBUを夜遅くまで見ていたせいで梅雨寒のせいで、すっかり風邪をひいてしまいました。いまも若干喉が痛い。バイトでは、声が商売道具なのに明日からの出勤が危ぶまれます(単にサボりがっているともいう)。

いやいや、某所で連作「休暇」の朗読もスタートしたというのに、弱気になってはいけませんねえ(事情があるのでハッキリとご案内はできませんが)。バイトがあろうとバクチクで目と耳を疲れさせようと、大切なことは死守していきませんと。

そう、「星間商事株式会社社史編纂室」のヒロイン、川田幸代さんのように。かつては大規模ショッピング・モールのプロジェクトを成功に導き、大いに期待されたというのに、「ろくにプライベートの時間を持てないのは

絶対に

困る」ため、閑職に追いやられても、ひるむことはなく、腐女子(自称したことはない)としての本分を貫く潔い御方でございます。とはいえ、長い年月の間には、ほころびも生じようというもの。男性同士の愛情を描く小説や漫画の同人誌を発行していた仲間から離散する方も出てきてしまうのでございます。GWも夏休みも海外に遊ぶことなく、徹夜までしても作品を完成させてきた、その仲間たちが…。

そのオタク人生に見切りをつけようとした仲間は、「テレビで党首討論を見て、与野党の政治家じいさん二人にすら

萌えを見いだすような自分を清算する!」

と悲痛な叫びをはっするのでした。

ワタクシはどうにもBL系には乗り来れないフシがありますが、そこまで目配りするものか、と今回驚愕した次第です。

なら、バンドのメンバーに自由自在に萌えを、それもメンバーが美しければ美しいほど、萌え度は高まるのでしょうね…。ただ、楽器を持たないヴォーカルがギター・ソロの間などに、ギターにしなだれかかったりするのは、「あ、あれはねー、単に、

ヒマだから

というか、時間を持て余すからにすぎないんだよー」とバンド関係者から聞きましたが。

ではまた!

星間商事株式会社社史編纂室

星間商事株式会社社史編纂室

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2009/07/11
  • メディア: 単行本


nice!(4)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

「オー!ファーザー」を読む。 [本]

あらもう、暑いったらありゃしませんね。

まどろっこしい前口上を書くのも億劫なくらい、暑うございます。ですので、すぐ本題に。そう本の題は(・・・)、

「オー!ファーザー」、伊坂幸太郎さんのご著書でいらっしゃまいます。

本屋でみかけて「最新作の『SOSの猿』をこの間読んだばかりなのに、もう新作とは!」と驚いた記憶がありましたが、今回あとがきを読めば2006年に新聞連載していたものなのですね。

とはいえ、好きな作家の本の新作が読めるのはファンにとってうれしいものでございます。そして、今回も期待を裏切らない面白さ。

話は、四人の父親を持つ高校生の由紀夫君が遭遇する殺人や陰謀。ええ、四人ですよ、四人。しかも、個性的な相反するキャラがある時は暑苦しいまでに父親としての愛情を寄せてくれるのですね。

由紀夫君は生まれた時から大勢のオトナ(父親4人+超魅力的な母親)に囲まれていたせいかクールです。同級生の多恵子さんが「だって、あの人、わたしの身体目当てなんだよね」と元カレに対し不満を漏らすと、

「財産目当てとか身代金目当てよりはマシ」

とおっしゃるほどに。そんなクールな由紀夫君と四人の父親の冒険が充分愉しめる作品です!

ではまた!

オー!ファーザー

オー!ファーザー

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 単行本


nice!(8)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

「三四郎はそれから門を出た」を読む。 [本]

世の中に、師と仰ぐ、まではいかないまでも、規範となるべき御方、もしくは、深く共感を寄せられる人がいるのはいいものですね。

今のワタクシにとっては、三浦しをんさん。

なんの規範ですかって?

それは、この本を読めばわかります。そう、この本は読書の正しいあり方の一つについて語っているのです!

なにせ、三浦さんは一日の行動をこのようにコンパクトにまとめておられます。

起きる。なにか読む。食べる。なにか読む。食べる。仕事をしてみる。食べる。なにか読む。食べる。なにか読む。寝る」

と、まさに見習うべき生活態度! いや、見習うっていうか、ほとんど似ているような…。

ワタクシとて、外出すると行くのは本屋、CDショップ、図書館だけ、ということがしばしば。せっかく電車賃使って、都心まででてきたんだから、おいしいものとかきれいな服とか買ったらどうだ、自分!と叱咤激励するものの。

そんなワタクシゆえ、この本の三浦さんの記述に深くうなずく次第でございます。

 私にとっちゃあ、読書はもはや「趣味」なんて次元で語れるもんじゃないんだ。持てる時間と金の大半を注ぎ込んで挑む、「おまえ(本)と俺との愛の真剣一本勝負」なんだよ!

こうした熱い思いをあますことなくぶちまけたこの一冊。時折、彼女特有のまじめさが顔をのぞかせて、そこがまたラブリー。そして、見識眼の確かさはなるほど、と膝を打つことしきりですので、書評を集めた本なんて、と敬遠する向きもどうぞ。

「海辺のカフカ」の書評で、

家出をしたら、たいがいの十五歳男子は自由を満喫して遊びほうけると思うのだが、

とあるのを読んで「鋭い」と舌を巻いてしまいました。

今日も目をつぶす勢いで読書してまいりたいと思います。

ではまた!

三四郎はそれから門を出た

三四郎はそれから門を出た

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本

 

 


nice!(12)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

「パンツの面目ふんどしの沽券」を読む。 [本]

風薫る五月、ですわね。

そんなさわやかな季節に取り上げますは、上記の書。みなさま、さやわかさと縁遠いテーマと肝をお潰しにならないように。ただ、いつ取り上げればよろしいか、不明ですが。

こちらの書物のご著者は、先日も取り上げました米原万里さんでございます。たかが下着、されど下着。相変わらずの怒涛の文献収集の力を発揮した該博な知識の展開も愉しくあれば、けっして忘れていない、下品にけして落ちない、鋭ささえ感じるユーモアの炸裂!

読めば読むほど、米原さんの器のおおらかさ、広さ、深さを感じます。

こうした心持の広さなのですが、この本一冊取っても、端々に見出すことができ、それは、ある時は、ともすれば、鈍重な目を刮目させしめるのです!

 …抑留者たちが、異文化に接しながらも、「用を足した後は紙で拭き、手で洗う」という自分たちの二本の風習は至極当たり前の常識として疑問にも思っていないことである。そうしないことは、人間以下、犬同然と何人かの元抑留者が断じている。

と米原さんはお書きになり、続けて、

 二十一世紀初頭でさえ、地球上に棲息する人々のうち、紙で拭くのを当然の風習としているのは、主に先進国の人々を中心とした三分の一に過ぎないのである。(紙という名の神)

 と指摘されています。他にも

 …こういう(屈辱と悲しみ)立場に立たされた女性の感情に対する想像力を(中略)、明治の男に期待するのは、無い物ねだりなのかもしれないが、(略)「下婢(ゲジョ)」と十把一絡にされた若い女たちが、どう事態を受け止めたのか、知りたいと思う。(羞恥心の迷宮)

と、目配りを忘れていないのがすばらしいと思います。

米原さんの圧倒的な知識の集積に舌を巻くのはほとほとカンタンではありますが、こうした集積が他者への視線の鈍重さにゆさぶりをかける、鋭い切れ味を発見するのも、また読書の愉しみではあるまいかと。

とはいえ、もちろん、ユーモアも忘れちゃあ、いけませんぜえ。

三浦雅士著の「身体の零度」の引用から始まる、「タイツにまつわる二つの悲劇」では、小学生の折のエピソードが開陳されています。それは、学芸会で貴公子を演じる万里さんあこがれの君の浩一君が王子様ということで、白いタイツを履くことから始まった悲劇。

 …真っ白なタイツはかなり透けていて、下のパンツの形が丸見えだった。しかも、パンツの股のところの割れ目から、

・・・。あとは省略しますので、みなさま、ご存分に本書を当たって下さいませ。

ではまた!


nice!(19)  コメント(18)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

「雪国」を読む。 [本]

たまには名作を読みませんと。

人生は短い、そう、「肉体は悲し、ああ、われは 全ての書を読みぬ」ですものね、おほほ。

てなわけで、食わず嫌いをしていました川端康成先生の「雪国」を通勤途中に読みましたことよ。

JRの陰謀としか思えない、複雑な乗り換えで目的地に着くまでの間、ワタクシの心は精緻極まる文章表現にがっつりと捕えられっぱなしでございました。

今さながら言うのもお恥ずかしい限りですが、この表現の見事さ。あまりに繊細に描き出すため、現実の事象が別の形で立ち現れる、その美しさ。

いやあ、川端先生、今まで「なんか湿り気を帯びてそうでヤダ」と読まないですんまそーん! まあ、湿り気がまったくないというわけぢゃないですが。

息を詰めるように一語一句を綴っていったことでしょうね。

とはいえ・・・。

「雪国」の登場人物の駒子の唇を、

「美しい蛭」

と形容するのはざわざわしちゃいましたよ、康成(呼び捨て)!

ではまた!

雪国 (角川文庫クラシックス)

雪国 (角川文庫クラシックス)

  • 作者: 川端 康成
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1956/04
  • メディア: 文庫

nice!(14)  コメント(16)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

「米原万里展 ロシア語通訳から作家へ」を観る。 [本]

米原万里さんのお名前を聞き最初に読んだのは、「魔女の1ダース」だったでしょうか。

その乾いた語り口とぐいぐいと推し進めるユーモアのすばらしさは今も鮮やかな印象をとどめています。その後、あまりに早すぎる訃報(享年56歳)に唖然としたのもまだ記憶に新しい。

そんなワタクシに、今回の展示は僥倖ともいうべき。しかもある意味地元でございます。勇んで出かけて参りました。

増刷にあたって朱を入れたゲラなどを見ますと、米原さんが自覚していたように、直せば直すほどぐんと良くなるのがよくわかります。「なぜか編集者はいやがる」という彼女のコメントに、そんなものかと目を丸くしたり。

また、「締切を守らなくても死にはしない」という意味のコメントもあり、編集者にとってはゾッとするような度胸の坐り方に、思わず笑みをもらしてしまったりしまいました。

ただ、ご自分の人生はあまりにも早くに締め切りにしてしまったようですね。

かえすがえすも残念です。

米原さんのご著書の「ヒトのオスは飼わないの?」もペットに対する愛情と同時通訳者として日々も綴られており、読ませる好著であります。ペットに対する米原さんの盲目的と言ってもいい愛情の濃やかさは胸を打ちますね。

ですが、上には上がいるもので。

米原さんの通訳のパートナー、大森さんは「人よりも犬の方がはるかに上等と考えている」お方であり、好青年をほめたたえるのに、

「あなったって、盲導犬みたいな人ねえ」

とおっしゃってしまったそうです。

ではまた!

米原万里展↓

http://www.tekona.net/contents/event-details.php?3959

ヒトのオスは飼わないの? (文春文庫)

ヒトのオスは飼わないの? (文春文庫)

  • 作者: 米原 万里
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/06/10
  • メディア: 文庫

 


nice!(11)  コメント(15)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

「鹿男あをによし」を読む。 [本]

そういえば、このブログの設定テーマは本でございましたね。

にも関わらず、昨今、本のことはあまりとりあげてませんわね、おほほ。まあ、本は読んでいます。というか、趣味を持っていない…刺繍とかお琴とか、他にいたすことがまるでございませんことよ。ワタクシは読書は趣味とはかんがえてませんので、ほんと趣味のない人間でございます。

前置きがながくなりましたが、「鹿男あをによし」は面白うございました。「鴨川ホルモー」の時も楽しませていただきましたが、今回も予想にたがわず、でさすがでございますね。

助手の論文が入ったPCを初期化しちまった主人公が、なかば都落ちして、古都奈良に先生として赴任します。奈良に棲息する神の使いの鹿より、見込まれ、日本を救う…。

というと、壮大なロマンが展開されると予想されますが、当初はそうはみえないつつましやかな話の進め方が魅力でもあります。

なにしろ、「鹿せんべい食べた」と黒板に書かれるあたり、「坊っちゃん」を彷彿とさせ、ほのぼのした風情さえ漂います。

また、冒頭の生徒さんの堀田嬢が遅刻の理由として、

「マイシカ(鹿)で駐禁とられました」

と言い訳しようとするあたり、古都奈良ならではの小ネタ満載でございます。

ではまた!

鹿男あをによし

鹿男あをによし

  • 作者: 万城目 学
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 単行本

 

 


nice!(12)  コメント(11)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

勝間和代についての一見解の紹介。 [本]

今年も押し詰まってまいりましたね。

そんなあわだたしい時期にケータイを落とす粗忽者は何を隠そう、ワタクシですが、どたばたと走り回ったため、まさしく、

師走!

(教員免許所有)でした。

まぁ、そんなワタクシの事情は脇に置いといて、今年をささやかに振り返ってみましょうか。今年話題になった人とか、そう、今年出ずっぱりの勝間和代さんなど。

ご著書はあいにく手にとってはおりませんが、出す出す本、大ベストセラーとのことで、TVにもたびたびご登場です。まさに、時の人、というべきでありましょう。

最近、例によってぼへりんとTVをながめていたところ、勝間さんを取り上げた番組をやっておりました。街頭インタビューがありまして、マイクを向けられた方々は、いろいろなご感想を申されていました。

その中に、楚々たる風情の銀髪のご婦人がしずしずとマイクに歩み寄り、「勝間和代さんを知っていますか」とのご質問に、

「ドーベルマンみたいな人のことね」

とおっしゃるなり、さっそうと去って行かれました。

ではまた!

 

 


nice!(17)  コメント(13)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

滞欧日記(フランス)、2009年編。番外編。 [本]

さて、前回でおわかりの通り、無事に日本に凱旋帰りついたワタクシたちですが…ここで少しばかり私欲(??)に走ってみようかと。

今回の渡欧、つまりパリ行きは壮大な(?)計画のもと、実行に移されたわけです。前にも触れ、fuuさんの写真と我が連作「休暇」をコラボする試みのために。

fuuさんとは、ブログ上でコラボ(「虹色トカゲ」「夜明けのガーベラ」)をおこない、さらにはグループ展で展示と豆本などの作ることに発展していきました。

今度の「休暇」がどんな形になるかはまだ定かではありませんが、本人たちはワクワクしています。そして、このワクワクこそが一番大切なこと。

パリでのワクワク体験がコラボにも必ずやいい影響を与える、と確信しています。

あらためて、休暇を案内させていただこうと思います。

実を言うとぉ! 読み返して、文章の粗さに頭がクラクラする思いで、もうちょっと手を入れるべきだ、とは分析していますの。

けど、アメブロ…時間がたつと直せないじゃありませんか!! おんおん(涙)。

ですので、少々恥ずかしいのですが、発表当時の姿でおめみえです(ちららーん)。よろしかったら、タイトルをクリックすれば読めますのでどうぞ。

第一話「休暇

第二話「おさらい

第三話「半分の生

第四話「死神と歓迎

第五話「死神と犬

第六話「死神と初恋・前篇」「死神と初恋・後篇

第七話「死神とワルツ

第八話「直七先輩のこと

第九話「狂い咲き

最終話「最後の日

↓オマケ:晴天のパリ

091027_2102~01.JPG


nice!(25)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。